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圧着不良の原因と対策|工具・端子・電線の適切な組み合わせを解説

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電気配線や機器の製造では、電線と端子をつなぐ圧着作業を行います。圧着が適切でないと、電気機器の動作不良や故障を引き起こすだけでなく、発熱やショートを引き起こす原因にもなります。

圧着不良の主な原因は、工具・端子・電線の組み合わせが合っていないことや、作業手順の誤りです。安定した品質を保つには、それぞれの部材を正しく選び、適切な手順で作業する必要があります。

本記事では、圧着不良によって起こるトラブルや主な原因、工具・端子・電線の選び方、品質を維持するための対策について解説します。

圧着不良で発生する不具合

まずは、圧着不良によって起こる代表的な3つの不具合を確認しましょう。

通電不良や接触トラブル

圧着が不十分だと、端子と電線の芯線(電気を通す金属部分)の間に隙間ができる場合があります。隙間があると接触抵抗(電流の流れにくさ)が大きくなり、電気がスムーズに流れません。

その結果、次のようなトラブルが発生します。

  • 機器が正常に動作しない
  • 電源が入ったり切れたりする
  • 電圧が安定しない
  • 圧着部分が発熱する

接触抵抗が大きい状態で電流を流し続けると、圧着部分に熱がこもります。発熱が続けば、端子や電線の劣化を招いてしまいます。目に見えないわずかな隙間が、通電トラブルにつながることを理解しておきましょう。

端子の抜けや固定強度の低下

圧着時の加圧が足りないと、端子が電線を十分に保持できません。固定が弱い状態では、電線を引っ張ったり、振動が加わったりした際に、端子から電線が抜ける可能性があります。工場設備や車両など、振動が発生する環境では特に注意しましょう。

完全に抜けなくても、端子と電線の接続が緩むことで、通電が不安定になる場合もあります。圧着後は、電線を軽く引っ張って端子から抜けないかを確認する「引張試験」が有効です。

被覆の破損によるショート

圧着する位置が適切でないと、端子が電線の絶縁被覆(電気を通さないための外側の部分)を傷つけることがあります。被覆が破れて芯線が露出すると、周囲の金属や隣の電線に触れてショート(短絡)を起こす原因になります。

また、電線を端子の奥まで差し込みすぎて、被覆まで圧着部分に入り込むケースもあります。被覆が圧着部に巻き込まれると、端子と芯線が十分に接触せず、圧着強度や導電性が低下します。圧着後は、芯線の位置・被覆の状態・電線の差し込み量を確認し、正しい位置で圧着できているかチェックしましょう。

圧着不良を引き起こす主な原因

圧着不良の原因を正しく特定できれば、作業工程の見直しや再発防止に役立ちます。ここでは、圧着不良を引き起こす主な原因を3つに分けて紹介します。

端子や電線のサイズ不一致

圧着作業で代表的な原因のひとつが、電線の太さと端子のサイズが合っていないケースです。電線の芯線サイズに対して端子の筒部(スリーブ)が大きすぎると、内部に隙間ができて十分に圧着できません。反対に、細すぎる端子へ太い電線を無理に差し込むと、芯線の素線が切れるおそれがあります。素線が切れると、導電性の低下を招きます。

このように、適合サイズから外れた部材を組み合わせても、正しい圧着状態にはできません。圧着作業をはじめる前に、電線の断面積(sq数)と端子の適用サイズを照合し、適切な組み合わせになっているかを確認しましょう。

合わない工具の使用や作業ミス

指定された工具以外のものを使用したり、汎用ペンチなどで代用したりすると、適切な圧着状態を作れません。圧着工具には、端子の形状やサイズに合わせたダイス(歯)が設定されています。そのため、使用する端子に適した工具の選定が必要です。工具が合っていなければ、圧着後の形状や締め付け状態が規定どおりになりません。

また、工具の選定だけでなく、作業手順にも確認すべきポイントがあります。手動の圧着工具を途中まで握った状態で手を離してしまうと、正しく圧着できない場合があります。電線の被覆を剥く長さが長すぎたり、反対に短すぎたりすることも、接触不良の直接的な原因になります。工具と端子の組み合わせを確認したうえで、メーカーが定めた手順に沿って作業することが大切です。

パーツの劣化や保管方法の問題

端子や電線などの部材そのものに問題がある場合も、圧着不良を誘発します。たとえば、長期間保管した端子が酸化して変色していると、表面の酸化皮膜によって接触抵抗が増加するおそれがあります。また、湿度の高い場所で保管していた部材は、サビや腐食が進み、本来の性能を発揮できない場合があります。

電線も、保管環境や経年変化によって外側の被覆が硬化するケースが見られます。硬化すると、電線を加工する際にひび割れや傷を生じさせる要因となります。

こうしたトラブルを防ぐには、部材を適切な環境で保管することが重要です。端子の変色や腐食、電線の被覆状態などを確認し、著しい劣化が見られる部材の使用は避けなければなりません。

工具・端子・電線の適切な選び方

部材や工具を選ぶときは、電線のサイズ、端子の種類、工具の対応範囲を順番に確認しましょう。ここでは、圧着不良を防ぐために確認したい3つのポイントを紹介します。

電線の太さに合わせた端子の選択

端子を選ぶときは、使用する電線の導体サイズを把握しましょう。電線のサイズは、呼び線径や断面積を表す「sq数」などで示されています。メーカーのカタログやパッケージには、端子に適した電線のサイズが記載されているため、購入前に確認してください。

また、電線には「単線」と「より線」があり、それぞれ適した端子が異なります。サイズが合わない端子を無理に使用すると、芯線を十分に固定できません。反対に大きすぎても適切な圧着状態にならないため、適用範囲から外れた組み合わせは避けましょう。

端子の形に合った専用工具の選択

圧着端子には、「裸圧着端子」や「絶縁被覆付圧着端子」「防水タイプ」など、さまざまな種類があります。工具を選ぶときは、端子の種類や形状に対応したJIS規格適合品などの専用工具を準備してください。

裸端子用の工具で絶縁被覆付端子を圧着すると、被覆が破れたり、圧力が偏ったりして危険です。圧着ダイス部に刻印されている記号やサイズ表記を見て、端子と一致していることを確かめましょう。適切な工具を使うことが、安定した品質を得るための基本です。

電線の剥き長さと作業手順の調整

適切な端子と工具を選んでも、電線の被覆を剥く長さが合っていなければ、正しく圧着できません。電線の加工にはワイヤーストリッパーなどを使用し、芯線を傷つけないように被覆を剥きます。

剥き長さが短すぎると芯線が端子の奥まで届かず、長すぎると露出した芯線がショートの原因になります。メーカーが指定するストリップ長さを確認し、規定の長さに合わせて加工しましょう。

被覆を剥いたあとは、芯線の素線が切れたり乱れたりしていないかも確認します。電線を端子の奥までまっすぐ挿入し、指定された位置で圧着することで、安定した仕上がりを実現できます。

圧着品質を保つための対策

ここでは、圧着品質を安定させるために取り入れたい3つの対策を紹介します。

作業前における部材と工具の適合確認

作業をはじめる前に、使用する電線・端子・工具の組み合わせをチェックします。現場に複数のサイズや種類の部材が混在していると、誤った組み合わせで作業してしまう可能性が高まります。事前の確認作業を標準化し、チェックリストを作成することで人為的なミスが防げます。特に、類似したサイズの端子を扱う場合は、品番やマークを目視で慎重に確かめることが大切です。

圧着後の引張強度試験と外観チェック

圧着作業が終わったら、すべての施工箇所に対して外観の目視確認を行いましょう。端子の変形具合や圧着位置を確認し、被覆を噛み込んでいないか、芯線が適切な位置まで挿入されているかをチェックします。

また、定期的に抜き取り検査を行い、専用の測定器を用いて引張強度試験を実施することも有効です。規定の引っ張り荷重に耐えられるかを数値で確認することで、圧着状態の確実性を客観的に評価できます。外観チェックと引張強度試験を組み合わせれば、目視だけでは判断しにくい圧着不良も高い精度で発見可能です。

工具の定期点検とメンテナンス管理

圧着工具は使用を続けるうちに、ダイスの摩耗や部品のガタつきなどが生じます。工具の状態が悪くなると、規定の圧着力を加えられなくなり、仕上がりにも影響します。

そのため、日常点検と定期的なメンテナンスを行いましょう。ラチェット機構が正常に作動するか、ダイスに傷や異常な摩耗がないか、ゴミなどが付着していないかを日常的に点検してください。

また、使用回数や期間に応じた定期メンテナンスを実施し、規定値を外れた工具はすみやかに修理または交換することが大切です。工具の状態を定期的に確認し、適切な圧着力を維持できる状態で使用することが、安定した施工品質の維持に直結します。

まとめ

圧着作業では、電線と端子を適切な状態で接合するために、部材の選定から施工後の検査まで一連の工程を管理する必要があります。

圧着不良が起こると、通電不良や接触不良だけでなく、端子の脱落や短絡による発熱・火災につながるおそれがあります。こうしたトラブルを防ぐには、電線・端子・工具の適合を確認したうえで、メーカーが指定する方法に沿って作業することが基本です。

さらに、作業前のチェック、圧着後の外観確認や引張強度試験、工具の定期点検も行いましょう。部材の組み合わせと作業手順を適切に管理し、圧着後の状態まで確認することで、安定した品質の配線作業につなげられます。

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